こんにちは。東京で活動しています認定セラピストの叶 紗央理(かない さおり)です。
桜が満開になったと思ったら、翌日はみぞれが降るくらい寒くなりましたね。
皆さんはお花見に行かれましたか?
晴れて暖かい日にお花見に行くことができた私は、帰りは美味しい桜餅と苺大福をいただくことができて、花も団子も満足なお花見になりました。

さて、4月は新学期や新年度の始まりで、新しい生活を始める方が大勢いらっしゃると思います。
職場も暮らす場所も変わって、これまでとは異なる環境の中で、慣れない業務に携わることはストレスも感じやすいでしょう。

今日は、そんな新生活のストレスと心の関係についてお話したいと思います。

ストレスとは何か?

私達が日常的に感じるストレスとは、外部からの刺激に対して、心や体が反応する状態のことです。
例えば、転職や引越しなどの環境の変化、人間関係のトラブル、疲労や寝不足による体の負担、プレッシャーによる精神的な負担など、外部からの刺激(ストレッサー)によって、イライラや不安を感じる心理的変化、胃痛や不眠になる身体的変化などが、心と体のストレス反応にあたります。

ストレスを感じていても、適度に発散することが出来ていればあまり問題にはなりませんが、ストレスが溜まる一方で過度に反応が起こる場合は、心に原因が隠れているかもしれません。

ストレスが限界に達した時に起こること

コールセンターやデパートの接客業から事務職になりたかった以前の私は、派遣社員として銀行本部の運用部門で働き始めました。
リーマンショックの不況下でやっと採用された希望する仕事でした。
業務上、巨額の資金移動ではミスが許されないため、常に緊張とプレッシャーを感じながら勤務していましたが、当たりが強い上司と、複数の人をいじめる先輩社員と一緒に仕事をするなかで、日常的にストレスを感じていました。

ある時、特にミスの許されない業務や沢山の仕事を抱えていた私は強いストレスを感じて、仕事中にも関わらず、涙が溢れて止まらなくなることがありました。
例えるなら、満水ギリギリまで水の入っていたガラスのコップに、更に水を注いだことで一気に溢れ出てしまったような感じです。

ガラスのコップは心、水はストレスを表します。

この時だけでなく以前の仕事でも、自分一人の手には負えないと感じたり、日常的にプレッシャーを感じていたり、怒られていたり、いじめやパワハラを受けていると、それらの出来事から感じるストレスを心が処理できなくなった時に、涙を流すことを繰り返していました。

仕事中に泣くという状態になる前は、最初に体に影響が出ていました。

眠れなくなったり、胃痛や吐き気が毎日続いて、食事は軽い菓子パンしか食べられなくなりましたが、病院で検査しても異常はなく、後になってからストレスによるものだと分かりました。

ストレスと愛着障害の関係

同じ体験をしていても、その時に感じるストレスの強弱や反応は人によって異なります。
辛いと感じて心と体に影響が出る人もいれば、すぐに気持ちを切り替えて落ち着くことができる人もいます。
ストレスを受けても回復が早い人と、ストレスで心身に影響が出る人の違いは何でしょうか?

その理由の一つとして、愛着障害によるものが考えられます。

愛着障害とは、幼少期に適切な愛情や安心感を得られず、親と安定した関係を築けなかったことで、安心できる繋がりや心の絆である”愛着”を形成することが出来ずに、情緒不安定になりやすかったり、人間関係の問題を抱えやすくなる状態のことです。

幼少期、親に不安を受け止めてもらうことで、安心できたという経験が少ないと、ストレスを受けた時に落ち着いたり回復することが難しくなります。
不安や恐怖といったストレスを感じる状況にいても、そのままにされていたことが多いため、ストレスに対処する心の土台が育っていないからです。

そのため愛着障害の人は、ストレスがかかった時に感情をコントロールすることが難しくなり、不安や悲しみ、苦しみ、怒りや恐怖といった感情が一気に溢れやすい傾向があります。

耐えるのではなく回復させる

ストレスに直面した時に優先するのは、ストレスに耐えることではなく、ストレスから回復することです。
上述した私の体験の問題点は、ストレス下で限界に達するまで我慢して耐え続けていたことです。

人手不足から一人で仕事を抱え込んでいても、頼ることが苦手で誰かに仕事をお願いすることが出来ず、いじめやパワハラを受けていても、我慢して耐えることを選んでいました。

その結果、最終的に病気になって退職を余儀なくされました。
ストレスを受けた時に副腎から分泌されるコルチゾールは、一時的なストレスであれば体を守るために役立つホルモンですが、慢性的なストレス下でコルチゾールが高い状態が続くと、不眠や記憶力の低下、免疫力の低下など心身に悪影響が出て、病気になるリスクが高まるためです。

愛着障害があると人に頼ることが苦手になりますが、一人で抱え込まずに、周囲に相談したり、助けを求めるなど行動パターンを変えていくことが大切です。そうすることで、ストレスが軽減されるからです。

また、なぜ自分は人にお願いすることが出来ないのだろうか?と、自分の気持ちを掘り下げていくことも大切です。

おそらく、人に迷惑をかけたくない、人にお願いするより自分がやった方が早い、人に任せることができない、人が信用できない…などの気持ちが隠れているはずです。

自分は何が不安なのか?何が恐いのか?なぜストレスや怒りが溜まるのか?何を我慢しているのか?なぜ我慢しているのか?と、意識して自分に問いかけていくことで気付きがあります。気付くことは癒しの第一歩です。自己受容に繋がるからです。

傷ついている心を癒して、安心感を育てていくことが、ストレスを受けた時に回復する力、レジリエンスを育てることにも繋がります。

もしも、少しの変化でも強いストレスを感じたり、過去のトラウマが影響していると感じる場合は、セラピストにご相談ください。全力でサポートさせていただきます。

皆さんの新生活がより良いものになりますように…それでは、また。

コラム担当者の紹介:協会推薦セラピスト 【東京】叶 紗央理

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