こんにちは。東京・神奈川で活動している心理セラピスト・ヤコーヒロコです。
このウェブサイトをご覧になっている方の多くは心の問題・お悩みを抱えている、経験したことがある方なのではないかな、と思います。
そんな中でも、こんな思いを強く抱いていたりしないでしょうか?
「私はダメだ」
ふとした時にこの気持ちに苛まれたり、中には四六時中「私は、俺はダメだ」と思っている方もいるかもしれないですね。
人間はそもそも自分に対して適切な自信を身に着け、チャレンジし、成長していく生き物です。
赤ちゃんは「私はダメだ」と自己否定しないですよね。
自分の欲求を生きていくために、泣くという行為を通して素直に伝えます。
ということは、生きていく中で「お前はダメだ」と否定されるタイミングがあった。
そして自分でも「私はダメだ」という思いを強く握り締めるようになった。
ということになります。
この強い自己否定を持っている方を前にした時、私たちセラピストはこうお聞きします。
「私はダメだ、と思っていたらどんないいことがありますか?」
聞かれた方は「いいことなんてあるわけない」と咄嗟に思うことが殆どなのですが、深くお聞きしていくとこんなメリットが出てきます。
・目立たないで済む
・攻撃されないで済む
・ダメじゃなくなるように頑張り続けることができる
・失敗した時にこれ以上傷つかないで済む
・ダメでいれば見捨てられないで済む
などなど、人によってさまざまです。
そして、自己否定というのは非常に強く心に根付いている価値観でもあるため、幾度がセラピーを受けて本人は楽になっても、またむくむくと自己否定の念が湧いてくる、ということも珍しいことではありません。
そして、そんな自分を「ダメだ」とまた更に自己否定してしまうんです。
なぜなら、この「自分はダメだ」という思いは親との関係性の中で強固になっていったからです。
子供に対して「お前はダメだ」という言葉での、もしくは無言のメッセージを送り続けている親は、自分自身が自己否定を持っています。
なので、子供が「できた!」と何かを達成することを純粋に喜ぶことができません。 何故なら、親の中の劣等感・自己否定を掻き立てられるからです。
そして同時に、自分の子供がダメだと「自分がダメな親だと思われてしまう」という恐怖感も持っているため、子供がダメでいることも許せなかったりします。
このため
「ダメでいろ、でも、ダメでいたら許さない」
という、非常に矛盾したことを子供に要求するんですね。
これを「ダブルバインド」と言います。
この親の要求に応えるだめには、ダメでなくなるために死ぬほど頑張らなくてはいけないし、一方で、適度にダメでいないといけないんです。
この生き方をしていると、「幸せ」や「満足」という気持ちを感じるのが非常に難しくなります。
幸せであったり、満足してしまうと、「ダメ」を感じられないからです。
そして、「私はダメだ」という自己否定を手放す、ということは、「お前はダメだ」と言い続けた来た親の価値観を手放すことです。
これを親との絆が切れてしまう、と無意識で恐れ、自己否定に戻ってしまうケースも多々あるんですね。
でも、本当に完全にダメな人間なんているのでしょうか?
そもそも、何をもって「ダメ」なのでしょうか?
そう聞かれると明確に答えられない方や、親に言われたことを羅列する方が殆どです。 あなたが自己否定を手放しても、そう簡単に親子の絆は切れません。
年の初めの1月に、「親の価値観から抜け出して、何の制約もなかったら、どんな自分で生きていきたいか?」ぜひご自身に聞いてみてくださいね。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!