こんにちは。東京を拠点に活動している認定セラピストのやまぐちさちこです。暑さはまだ残るものの、夜は虫の音も聴こえ、秋を感じ始めました。

先日、片思い真っ最中の友人(同年代)や、別の友人の姪っ子たち(20代)と、美味しいご飯を食べながら恋愛トークで盛り上がる機会がありました。久しぶりに恋愛話を聞いたので、今回のテーマは「恋愛」や「パートナー関係」で起こる問題について書いてみようと思います。

「幸せな状態」は未来の「別れ」「不幸」を予感させる

穏やかで心地よい時間が流れているはずなのに、心はなぜかザワザワする。パートナーの優しさや愛情を十分に感じているのに、突然怖くなり、わざと相手を突き放すような言動や行動をとってしまう。そうして、築き上げてきた幸せな関係を、自分から壊してしまう――こんな衝動を抱えている人はいませんか?

「嫌いになって別れたい」わけではない。「これからも一緒にいたい」「幸せだなぁ」と思っているはずなのに、いつも同じパターンを繰り返してしまう。そして、なぜそんなことをしてしまうのか自分でもわからない。もしあなたがそうだとしたら、その答えはあなたの心の奥底にある「過去」「心理的利得」に隠されているかもしれません。

たしかに、人と人との関係に「絶対」や「永遠」の100%の保証はありませんよね。不慮の事故や病気による別れ、関係性の変化など、さまざまなことが起こり得ます。しかし、今、良好な関係で幸せを感じる瞬間に、急に不安に襲われ、目の前の幸せを壊そうとする人は、無意識のうちに「人は豹変する怖いものだ」「いつか裏切るに決まっている」「人を信じたり近づいたら悪いことが起きる」「幸せは必ず壊れる」「私を大事にしてくれる人なんているはずがない」「どうせ私は見捨てられる」といった様々な思い込みを抱えています。

常に相手を「裏切る・見捨てる・利用してくる」というフィルターを通して見るので、いくら今穏やかな関係を築けていても、「本当に私のこと好きなの?」「嘘に違いない」「証明して」といった相手を試すような言動や、急に距離を置いたりして、自分から関係を壊しにいきます。

相手からすれば、いくら「好きだよ」「本当だよ」「傷つけないよ」と言い続けても、ずっと疑われ試されていれば、疲れて遠ざかってしまうこともあるはずです。しかし、そうするとあなたは「ほら、やっぱり」と傷つきながらも、どこかで安心するのです。これは、心の深いところで「どうせ裏切られる」「いなくなる」と確信に近い形で信じているからです。

なぜ、イヤな行動を繰り返すのか?

「なぜ、こんな事を繰り返してしまうんだろう?」 あなたがそう思っている行動の裏側には、「心理的利得」というものが存在します。

一見、自ら幸せを壊すという自己破壊的な行動に見えますが、この行動は、あなたにとって重要な役割を果たしています。それは「これ以上傷つかないように、自分を守ること」

相手を心から信頼し、幸せを感じれば感じるほど「裏切られたときの痛み」や「一人になることの孤独感」が、より重くつらく感じられます。「どうせ幸せは長く続かない」「どうせ最後は見捨てられるんだから、傷が浅いうちに自分から終わらせよう」「相手から別れを告げられるくらいなら、こっちから関係を切ろう」――そうすれば、深い孤独感や「自分は必要とされない愛されない人間だ」という感覚を感じずに済むし、求めたのに拒絶されてしまった場合の苦しみから自分を守ることができます。

これは、今、目の前で起きていることではなく妄想です。何も起こっていない、未来は違うかもしれないのに、人は過去のつらい経験で学んだことや感じたことを持ち続け、自分で自分を縛ってしまうことがあります。

過去の傷が、今を支配する

なぜ、人はこのような感覚を持つようになるのでしょうか。その答えは幼少期の親との関係にあります。

例えば、子どもの頃に経験したこと

■愛情やぬくもりを与えられた感覚がほとんどない。
■親が突然いなくなってしまった(蒸発、離婚、病気による死別など)。
■家庭の中がいつも不安定で、親がいなくなるのでは、という不安をいつも抱えていた。
■楽しかったり幸せそうにしていると、親が不機嫌になったり怒られた。
■人と人の繋がりは、利用や服従という関係だった。

子どもにとって、人間関係のベースは親であり家族の関係性です。そして、幼少期の子どもの世界は、親や家庭がすべてです。

ですから、親や家族との間で起こった別れや裏切り、あるいは信頼関係が築けなかった経験は、「大切な人は必ずいなくなる」「自分はいつか見捨てられる」「人は絶対に裏切る」「自分が幸せになると親に嫌われる」といった感覚が植え付けられます。そして、そんなつらい感情や感覚を受けとめる事は到底出来ないので、感情を抑圧したり、「私が悪い子だったからだ」と自分を責めたりするのです。

大人になっても、新たな人間関係を築こうとするときに、この幼少期の感覚が顔を出します。そしてせっかく築き始めた関係を、無意識のうちに壊してしまうのです。
カウンセリングやセッションという解決方法もあるのでお気軽にご相談くださいね。

私たちは「自分で選んでいる」

自ら幸せを壊す行動は、一見すると「自己破壊」のように見えますが、実は傷つきから自分を守るための「自己防衛」。しかも、この行動は、「無意識のうちに」行われているので自分では訳がわからなかったり、なかなか気がつけません。しかも、その引き換えに「本当に欲しい繋がりや幸せ」を失ってしまうのです。

恐怖を乗り越え、欲しい未来を掴む力

幼少期、親や家族という限られた世界の中で、自分の身を守るための行動パターンは、当時のあなたにとって最善の策だったに違いありません。

でもあなたはこのままずっと「幸せを壊す」ことで、表面的な安心感を得続けますか? それとも、その行動の底にある「心理的利得」を手放し、本当に欲しい「幸せ」を掴みにいきますか? それは、自分で決めることができます。過去のパターンに縛られ続ける必要はないのです。

しかしそうはいっても、無意識の行動を変えたり、一人で恐怖を乗り越えるのは簡単な事ではありません。自分だけでは思考や感情の迷路に迷い込んでしまう、一人で向き合うのは難しいと感じたら、いつでも人を頼り、サポートを受けてください。カウンセリングや心理セラピーは、その為にあります。自分の幸せな未来の為に、過去の傷つきを癒し、本当の自分を取り戻したい人を応援しています。

認定セラピスト やまぐちさちこ

HP/ https://33miminowa.com

コラム担当者の紹介:協会推薦セラピスト 【東京】やまぐちさちこ

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