あの人の態度おかしくない?
私のことバカにしてるよね?

よくよく考えてみるとイライラしてきた
ああああああああああああああああああああ
むかつくうううううううううううううううう

思い返してみるといつもそう
その場では怒りを感じないけど、いつもあとになって怒りがわいてくる

こういったことがたまにあるくらいなら問題ないですが、日常的にあるとしたら、ストレスがたまって仕方がないと思います。
そして、もしかすると心理的な問題が関係しているかもしれません。
今回はそんな「あとから怒りがわいてくる人の心理」についてお話しします。

あとから怒りがわいてくる理由

結論から言います。
あとから怒りがわいてくる理由は、

怒りを抑圧することが癖になっているからです。

怒りを抑圧する?
癖になっている?
どういうこと?

と思われたかもしれませんので解説します。

あとから怒りがわいてくる人は、本来怒りを感じるような場面で、怒りを感じないように自分で自分の感情を抑え込んでいることが多いです。

感情を抑え込むことを心理学用語で「抑圧」といいます。
怒りを抑圧することが癖になっている人は、自分が怒りを抑圧していることに気づいていないことも多いです。
自分でも気づかないうちにやってしまうこと、それが癖というものだと思います。

たとえばこんな場面・・・

A子さんはある家事をやるのを忘れていました。
それに気づいた旦那さんが言いました。

「またやるの忘れたの?どんくさいなあ」

A子さんは言います。

「ごめーん、私ってほんとどんくさいなあ」
と笑いながら忘れていた家事に取りかかります。

そして家事をしながらこんな考えが頭に浮かんできます。

さっき「どんくさい」って言ったよね?
忘れてただけなのに、そんな言い方しなくてもよくない?

それに「また」ってなに?
というか気づいたなら自分でやればよくない?

なんで私がやるのが当たり前みたいに言ってるの?

ああああああああああああああああああああ

ムカつくうううううううううううううううう
そう思いながらも、それを言葉にすることはなく、夫への怒りと不満をためていく毎日。

最近では、会話をすることすら苦痛になっている・・・

このように、あとから怒りがわいてくる人は、本来怒りを感じるような場面では、頭が働かなくなって感情も感じず、
相手の言うことを鵜呑みにして聞き入れているという場合が多いです。

これはその人の脳が自動的に、怒りを感じないようにしている

という状態です。

怒りを感じないように脳の動きを止めているだけで、怒りがないわけではありません。
本人の中に怒りの感情は確実に存在しています。


感じないようにしているだけです。
だから怒りがあとになってわいてくるのです。

なぜその場ではなく、あとからわいてくるのかというと、
怒りは安全を感じているときに、わいてきやすいという特徴があるからです。

あとから怒りがわいてくるメリット

その場ではなく、あとから怒りがわいてくることにはメリットがあります。

メリットなんかない
と思われるかもしれませんが、あります。

人間の脳はメリットがないことはしないからです。

先ほどの例のA子さんがその場で、
「どんくさいってなんや!!」
と怒りを表現したら、旦那さんとケンカになるかもしれません。
「だってほんとにどんくさいじゃん」
とか
「そんなことで怒んなよ」
と言われて、みじめな思いをするかもしれません。

気持ちをわかってもらえなくて悲しくて、そうなったら、
この人は私の気持ちなんかどうでもいいんだ
とさびしい思いをするかもしれません。

そんな感じたくない嫌な感情を感じることを避けられたり、争いを避けられたり、その場を安全にやり過ごすことができるというメリットがあります。
こういったメリットがあるため、その場では怒りを抑圧しているのです。

しかし、抑圧した怒りは本人の中に残りつづけているので、安全を感じるようなタイミングで怒りが再燃してくるのです。

あとから怒りがわいてくる原因

このように本来怒りを感じる場面で、怒りを抑圧してしまうようになる原因としては、
幼少期の親との関係で、怒りなどの自分の素直な感情表現を禁じられていた
もしくは、素直な感情表現をすると怒られたり、叩かれたり、無視されたり、笑われたり、
ありのままの自分でいると、親と安心して関わることができなかった
という過去がある場合が多いです。

子どもにとって親は、自分の命を握っている神のような存在です。

その親から、怒られたり、殴られたり、無視されたりするということは、死ぬかもしれないと思うほどの恐怖です。
子どもは親に見捨てられると、生きていくことはできません。

だから、親に見捨てられないように、生き残るために、いっしょうけんめい受け入れてもらおうとします。

愛されようとします。

でもそれは、本来の自分を殺して、親の望む子どもでいることでもあります。
だから怒りが溜まります。

そして、怒りの下には、
本当は親にありのままの自分を受け入れてほしかったという悲しみ
どうやっても親がありのままの自分を受け入れてくれることはないという絶望があります。

そんな悲しみ、絶望の感覚が脳に刻み込まれているので、大人になっても、自分の感情を素直に表現できず、怒りを抑圧する人になってしまうのです。

あとから怒りがわいてくるデメリット

怒りを抑圧してあとから怒りがわいてくることにはデメリットがあります。
それは、怒りがどんどん溜まっていくということです。
怒りが溜まっていくとどうなるでしょう?

相手のことが嫌いになる

言いたいことを言わずにいると相手のことがどんどん嫌いになっていきます。
たとえ怒りを溜めていても何も言わないので、相手もあなたが怒りを溜めていることに気づきません。

あるいは、イライラを態度で表現していたとしても、言葉で言わなければ、相手はあなたが何に怒っているのか明確にはわからず、何度も同じことをされることになります。
そんな負のスパイラルに入って、最終的に怒りが爆発するか、相手のことを嫌いになって関係を一方的に切って終わらせることもあるでしょう。

自分を責めてしまう

怒りを感じた相手に対して気持ちを伝えることができない、そんな自分を責めて、抑うつ状態になる場合もあります。
このように自分を責めることを心理学用語で「反転」といいます。
自分に責任がある、と考えやすい自責タイプの人はこのパターンが多いです。

関係ない人に怒りを出してしまう

怒りを感じた相手に怒りを出せない場合、全く関係ない別の人に怒りが向かう場合が多いです。
関係ない人に怒りを向けることを心理学用語で「置き換え」といいます。

この置き換えの対象になりやすいのは、自分より弱い立場にある人です。
自分の子どもや優しいパートナー、部下、お店の店員さんなどです。
これは自分がされて嫌だったことを人にしているパターンなので、自分がやっていると気づいた人は、反省してすぐにやめましょう。

では最後に解決に向けたお話をします。

あとから怒りがわいてくる問題を解決するために

あとから怒りがわいてきた場合、なるべくその場で、相手に伝えるのがいいと思います。

A子さんの例だと「ごめん忘れてた、今からやるね。でもどんくさいって言わないで。いやだから」
本来であれば、これで終わる話です。

でも、これができないのが、あとから怒りがわいてくる人だと思います。
ではどうすればいいかというと、自分の感情、感覚に意識を向けます。

そして自分に問いかけます。

なぜその場で気持ちを伝えなかったのだろう?
何にイライラしているんだろう?
どんな感情を感じたくないんだろう?
気持ちを伝えないでいることで、私にとってどんないいことがあるんだろう?

そして、自分の感情に気づいたら、その感情を受け止めましょう。

私って怖かったんだ
私って悲しかったんだ
私ってさびしかったんだ

そして、相手に伝えたければ伝えてもいいし、自分の中で受け止めて終わってもいいと思います。

そして、次に同じようなことがあったら、どうするか考えるとよいです。
本当に理不尽なことをされたのであれば、怒ってもいいと思います。

正当な怒りは、あなたとあなたの大切なものを守るための大切な感情であり、問題を解決するエネルギーになる感情でもあります。

しかし、ここでの解決の一番のポイントは、相手に言いたいことを言うとか、言わないとかではなく、
自分が本当に感じなくない感情に目を向けることです。
ぜひ自分の内面に目を向けて、心の声を聞いてみてください。

・この怒りが正当な怒りなのかわからない
・自分ではどうしようもない感じがする
・根本的に解決したい

という人はプロの手を借りてみるのもいいと思います。

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