
結婚して数年で、お互いを攻撃し、責め合うようになる夫婦は少なくありません。
そして、これまで関わってきたクライアントさんや、私自身の経験からも、夫婦関係の悪化には定番のパターンがあるように感じています。
幸せになるために一緒になったはずの男女が、なぜ憎しみ合うようになるのか?
その根本にある心理的な原因と、関係性を取り戻すヒントを解説します。
夫婦関係が壊れる定番パターン
結ばれて数年でお互いを攻撃し、責め合うようになる夫婦は意外と多いです。
それはなぜなのでしょうか。
そこには、夫婦関係が崩壊していく定番のパターンやプロセスがあります。
妻が夫に失望し、夫を責めるようになる
まずはじめに起こることが多いのは、妻が夫に失望することです。
・仕事で帰りが遅い
・家事に協力的でない
・子どもに無関心
・自分の趣味にばかり没頭している
挙げればきりがありませんが、昔は許せたことでも、少しずつ不満が溜まっていきます。
その不満の根本はなにかというと、
「私の気持ちをわかってくれない」という、さびしさ、悲しみです。
しかし、さびしさや悲しみを抱えつづけるのは、非常につらいことです。
そのため、さびしさや悲しみを怒りにすり替えてしまうのです。
「私のことをわかってくれない夫が悪い」
直接的な言葉で伝える場合もあれば、不機嫌や無視といった間接的な態度で不満を表現する場合もあります。
責められた夫が逆ギレする、または関わりを避ける
責められた夫からすれば、「いつも通りの生活をしていたら、突然、妻に責められた」と感じます。
しかし、一方の妻からすれば、決して突然などではありません。
いやだったことが何度も何度もあって、積もり積もった積年の恨みが出てきているのです。
しかし、夫はそうは思いません。
「突然、責められた」
「妻は変わってしまった」
そう感じた夫がとる行動は大きく2パターンあります。
どちらを取るかは、夫の性格と夫婦の組み合わせによります。
①夫が逆ギレするパターン
すぐにカッとなったり、自分の非を認めないタイプの夫の場合や、妻が気弱な場合、
「おれがなにしたって言うんだ」と逆ギレします。
人によっては暴言、暴力を振るう場合もあります。
②夫が関わりを避けるパターン
自分が悪かったのではないかと考えたり、争いが苦手なタイプの夫、そもそも人間関係を煩わしいと思っているタイプの夫の場合や、妻が他責的なタイプの場合、
「ケンカするのもめんどうだし、さらになにか言われるのもイヤだし、そっとしておこう」
と考えて、そっと関わりを避けるようになります。
争いを避けるために、お互いに無関心になる
逆ギレパターンも、関わりを避けるパターンも、そのような状態を続けていくうちに、夫婦ともに疲弊していきます。
そのうちお互いに、
「これ以上争いたくない」
「エネルギーの無駄遣いをしたくない」
「どうせわかり合えない」
と考えて、お互いに対して無関心になっていきます。
そして最終的には、
他人以上に冷たい関係になる
このような悲惨な状態に至ってしまうのはなぜなのでしょうか?
ここからは、仲の良かった夫婦が、上記のような悲惨な状態に至ってしまう原因についてお話ししたいと思います。
夫婦関係が壊れる原因
夫婦関係が壊れる原因を説明します!
とは言っても、原因は千差万別、夫婦ごとに違うことを断った上で、あえて1つあげるとしたら、
お互いに優しさを与え合う、というステージに立てていないからではないかと思います。
「ちょうだい、ちょうだい」
「おれを見ろ、認めろ」
「私を見て、愛して」
ということを夫婦がお互いがやっているので、妻も夫も欲しいものが得られず、相手に対する失望を深めていくのです。
ではなぜ相手に求めてばかりで、自分から与えようとしないのでしょうか?
それは端的にいうと、精神が子どものままで止まっているからです。
心理学でいう「退行」という状態です。
一般的な言葉で、「幼児退行」といったほうがわかりやすいかもしれません。
精神が子どものままで止まってしまう原因
精神が子どものままで止まってしまう原因は、幼少期に適切に甘えるという経験ができなかったということが考えられます。
- 親が支配的で厳格な家庭だった
- 親が子どもの気持ちを軽視する親だった
- 気持ちに寄り添う共感的な関わりをしてもらえなかった
- ネグレクト(無視)
- 養育者のたび重なる変更(親族たらい回し)
このような環境で育つと、いわゆる「愛着障害」といわれる状態になり、人と適切な距離感で絆を結ぶことが難しくなります。
なぜそうなるかというと、
子どもの頃に満たされなかった思いや欲求を、大人になってからも、目の前の相手に満たしてもらおうとするからです。
「甘えたい」
「一番に見てほしい」
「特別扱いされたい」
「愛されたい」
という思いを無意識に、目の前の相手に求めてしまうのです。
こういった幼少期に満たされなかった思いは、身近な相手にほど求めてしまうという傾向があります。
そのため、特に夫婦関係や恋愛において、問題が起こりやすいのです。
人はやさしさなしでは生きられない
「人はやさしさなしでは生きられない」などと言ったところで、現代では陳腐なきれいごとと思われるかもしれません。
しかし、心理セラピストであり、夫であり、父親でもある私の経験からも、
「人とのつながり、やさしさはなにより重要」
そう思わざるを得ません。
欲しくて欲しくてたまらないから、相手を責めるし、
欲しくて欲しくてたまらないから、それが手に入らない状況に耐えられず、相手から離れていくのです。
しかし、やさしくしてもらえないからと、そっぽを向き、相手を責めたところで、相手からのやさしさは手に入りません。
さて、ここで大切なことをお伝えします。それは、自分がやさしさを求めているのと同じように、相手もそれを求めているということです。
であれば、まずは自分から与えていくほうが、良いとは思いませんか?
それも難しいというのであれば、
「なぜ自分から与えることができないのだろう?」
「与えてしまったら、なにが起こるのだろう?」
と自分に問いかけてみることから、始めてみるとよいかもしれません。
ぜひ自分の内面に目を向けて、心の声を聞いてみてください。
・相手に変わってほしいという思いが消えない
・自分から与えても、相手から返ってこなかったらと思うと悲しすぎる
・相手を信じて自分から歩み寄るのが怖い
という人はプロの手を借りてみるのもいいと思います。
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コラム担当者の紹介:協会認定セラピスト 【広島】かいはら りゅうま


