皆さん、こんにちは。
東京で活動をしている≪やまぐちさちこ≫と申します。
今年の3月に推薦セラピストになり、今回初めてコラムを担当させてもらいます。
よろしくお願いします!
さて、何を書こうか悩んだのですが・・・
私が、カズ姐さんこと大鶴和江さんを知ったきっかけからお話ししてみようと思います。
カズ姐さんを知ったきっかけ
ある日、パートナーとの関係がうまくいっていないという人と話をしていた時の事。彼女が「何も言われないよりは殴られた方がいい」と言いました。
◆パートナーに色々と言っても、黙ったり、スッと自分の部屋に行ってしまったり、聞こえていないふりをされるのがとてもイヤ。
◆だからもっとうるさく言ったり、挑発したりするとやっと反応がかえってくる。
◆この前は、イライラされて殴られそうになったが、相手がこらえて殴られはしなかった。でも、何も反応してくれないよりも私は殴られる方がいい。
◆多分、これからも挑発してしまうと思う。
私はその時は「殴られた方がいい、ってどういう事?」とその人の深い心情が理解出来ず、「本当に殴られたいの? 殴られたら痛いでしょ」と言うのが精一杯でした。
「どういう心理なんだろう?」という疑問と幼少期の環境が複雑だったという彼女の背景の事もあり、愛着障害について色々と調べました。その中でYouTube「カズ姐さんの深くて面白い心理学」に出会った、という訳です。
数あるYouTubeの中で、カズさんの動画は、歯切れよく、深くうなづく話ばかり。解説のわかりやすさはもちろん、学術的に分析しているだけでなく、実践力が半端ない。実際にセッションで解決ができるなんてすごい! 利得という捉え方もめちゃくちゃ納得! この人のやっているリトリーブサイコセラピーってどういうものなんだろう、と興味を持ちました。
アロマセラピーなどを用いたボディケアの仕事をしていた為、体と心の問題はつながっている、メンタルケアや心理学を学んでみたいという想いもありました。また、心理的に引っかかる問題は、自分も色々とあると認識していたので(それについてはまた別の機会に)自分の問題解決もしたい、と基礎・応用・ハイパーを受講。
その中で、幼少期の感情や感覚、未完了の想いが大人になってからも人生を支配するかを、身をもって体験し、現在に至ります。
「何も言われないよりは殴られた方がいい」の気持ち
前は、わからなかった彼女の気持ち。
今、その人の感覚をイメージするならば
パートナーは
自分が何か言っても応えてくれない
無視・関心をもってくれない
こっちをちゃんと見て、聞いて!
なのに言えば言うほど離れていく
そんなパートナーを見て
親を投影し
無意識に湧き上がる感覚
何にも受け止めてくれない悲しさや怒り
自分はここに本当にいる?という不安
存在を全否定されているような感覚
ひとりぼっちで孤独
自分が透明人間でここにいない
それを感じたら消えていきそう
幼少期の感覚でいえば
無視される事は子どもにとって
= 死んでしまう につながるから。
ものすごい恐怖です。
でも、もしも
自分が言った事に対して
パートナーが殴ってきたら?
殴るという行為は
無視した状態では出来ません。
<殴る相手を見る・接触する>
そうすると彼女は
私を見てくれた!聞いてくれた!
やっとこの人と私、つながれた
ちゃんと私、ここにいるんだな
存在しているんだな
生きていていいんだな
殴られた痛みと引き換えにそんな感覚が手に入る。
その感覚を手に入れる為に挑発して殴られるように仕向けよう。。
見てくれない・何も言われないよりはマシ
殴られる方が自分にとってのつながりで安心
そんな風に彼女は感じていたのかなと思います。
イヤなつながりの方がマシな人
このコラムを読んでくれている人の中には、以前の私のように「何も言われないよりは殴られた方がいい」という感覚がわからない、という人もいるかもしれませんね。
でも・・・
例えば≪殴られる≫の部分を
●愚痴を聞く
●相手の言いなりになる
●自分が我慢する
●粗末に扱わせるなど
≪イヤなつながり≫に変換してみたら?
何も言われない、無視されるよりは、イヤな事を受け入れたり、イヤなつながりの方がマシという事をやっている人はいるのではないでしょうか。
または相手が、何か別の理由で反応が薄かっただけなのに、妙に心がざわざわして殴るように仕向けるまではしなくても
●イヤな事を言う
●挑発して振り向かせる
といった≪不適切なつながり≫で相手の反応を引き出す。そんなつながり方をしている人も多いのではないかと思います。
私自身も「殴られる方がいい」と考えた事はないけれど≪本当はイヤだけどその方がマシ≫
そうしてきた事は数々思い当たります。
だから
「何も言われないよりは殴られた方がマシ」と言った彼女の事は、他人事じゃないなと感じます。
現在、起こっている人間関係の問題は過去の親との関係の問題
心理セラピーという世界でクライアントの話をみたり聞いたりして思うのは
子どもにとって良きも悪きも
初めて築く人間関係は親であり
親とのつながりを欲する子どもは
どんなに理不尽で
ひどい関わりであったとしても
イヤな関わりを受け入れてしまう
そしてそのイヤな関わり方を元にその後の人生の人間関係を築いていく事になる
その影響力の凄まじさ・・・
≪今、起こっている人間関係の問題は過去の親との関係の問題≫
そう言われると
あんな親の元で育ったからもうダメだ
親が悪いんだ
そんな風に考えて諦める人もいます。
でも
大人になったあなた・わたし達は
人間関係を新たな形で築いていく力があります。
自分の選択で選んでいく事が出来ます。
もしも
『自分がイヤな関わり方で
人間関係をつくってしまう』という事に心当たりのある方
人間関係での悩みをお持ちの方は
自分の感情や感覚に関心を向けてみたり、1人で悩んだり抱え込まずに、電話カウンセリングやセッションなどセラピストにご相談くださいね。
自分が「解決したい」「何とかしたい」と、何か一歩行動する事が、きっと変化を起こします。
やまぐちさちこ