あの人のあの言葉は嫌味なんじゃないか?
私を責めているんじゃないか?
私に対して暗に指示してるんじゃないか?
人の言葉の意味を読み取る力は、人とコミュニケーションを取るうえで重要な能力です。
しかし、人の言葉の裏を読みすぎてしまう、もしくは人の言葉を疑うことが基本になっているという人は、人と関わると気を使いすぎて疲れてしまったり、常に不安が絶えなかったりと、人と関わること自体が心理的に負担になってしまいます。
人の言葉の裏に悪意や言外の意味があるのではないかと考えてしまい、言葉をそのまま素直に受け取ることができない
今回はそんな心理についてお話しします。
人の言葉の裏を読んでしまう人の特徴
人の言葉の裏を読んでしまう人の話を聞いていると、人の悪意に対して敏感であることが多いと感じます。
そして、その敏感さが度を越していて、悪意がない人にまで悪意を感じ取ってしまうことも多い、そんな印象があります。
もし人間の脳に悪意に対するセンサーが存在するとしたら、人の言葉の裏を読んでしまう人は、その悪意センサーの感度が高すぎて、しょっちゅう誤作動を起こしているようなイメージです。
このような場合、当然、人間関係において困難を抱えやすいです。
敵意をむき出しにするタイプであれば、周りの人は離れていきます。
逆に、自分の気持ちを抑え込むタイプであれば、徐々に不安や不満を溜めて、自分から人と距離を取って離れていくこともあるでしょう。いずれにしても、
人と親密な関係になりにくい
人間関係が続きにくい
ゆえに、孤立しやすい
という特徴があります。
さらに、人の言葉の裏を読んでしまう人の中には、「親しい相手ほど信じられない」というパターンが多いように思います。
たとえば、夫が妻に、
「部屋が散らかってるなあ」と言っただけで、
「私が掃除してないって言いたいの!」と激昂したりします。
または、妻が夫に、
「節約しなきゃね」と言っただけで、
「俺の給料が少ないって言いたいのか!」と怒ったりします。
これは何が起きているかというと、
相手の言葉をそのまま受け取らず、自分の頭の中で勝手に、相手に悪意があると思い込んでいる
という状態です。
相手からすると、「そんなこと言ってないじゃん」と思うでしょうし、こんなことが続いていれば、会話することすら億劫になります。
このような状態で、安心感のある良好な人間関係を築くことは難しいでしょう。
もしそれでも関係を続けてくれている人がいるのであれば、その相手はとても優しい人か、怒りながらも我慢しているという可能性があります。
人の言葉の裏を読んでしまう人の心理
人の言葉の裏を読んでしまう人は根本的に、
人を信じられない
という問題を抱えていることが多いです。
その根底には、裏切られたり、見捨てられることへの強い恐怖があります。
実際に意識しているか、無意識かは人によりますが、
自分はいつか裏切られる
自分はいつか見捨てられる
という前提を持っているので、はじめから人の言葉を信用しないことで、
裏切られたり、見捨てられたときの心の準備をしている
という状態です。
そうすることで、実際に裏切られたり見捨てられてしまったときに、傷つくことを避けられているのです。
人の言葉の裏を読んでしまう人になる原因
人の言葉の裏を読んでしまう人に多く見られる傾向としては、
親から否定、嫌味、恥をかかされるような扱いを受けてきた
できても否定、できなくても否定、何もしていなくても否定されていた
なのに、どんなにいい子でがんばっても認めてもらえなかった
そんな幼少期を過ごしてきた人が多いように思います。
たとえばこんなケース・・・
A子さんは2人姉妹の長女。
妹が生まれてからというもの、母親は妹を猫かわいがりしていました。
母親は精神不安定で、感情の起伏が激しく、A子さんと妹が同じことをしていても、A子さんだけが怒られる。
そんな母親も、家から一歩外に出れば、優しくて人当たりのよい素敵なお母さんになります。
A子さんは母親に対して違和感を覚えつつも、その違和感を口にすることはできませんでした。
なんとなくそれを口にしてはいけないと感じていたのです。
A子さんはお母さんの役に立とうとお手伝いをしたり、いい子として一生懸命頑張りましたが、決してお母さんから認められることはありませんでした。
父親はそんな扱いづらい妻と関わることを避けて見て見ぬふりをしていました。
A子さんは次第に、
人は嘘をつく
人は私を傷つける
人を信じても傷つくだけ
という信念を強めていきました・・・
人の言葉の裏を読んでしまう人の心には怒りが溜まっており、さらにその下には、さびしさや悲しみの感情が抑圧されています。
人の言葉の裏を読んでしまう人へのメッセージ
まず、自分にこう問いかけてみてください。
私は本当はどんな感情を感じたくなくて、人の言葉をそのまま受け取らないようにしているんだろう?
さびしさ、悲しみ、恐怖、恥、無力感、無価値感など、自分に問いかけてみて、出てきた感情に気づき、認めて、受け入れましょう。
受け入れましょう、と言われても受け入れたくない、と思われるかもしれません。
しかし、その感じたくない感情は、抑え込んでいても、無理やりなかったことにしたとしても、決して消えることはなく、心の中に残りつづけます。
残りつづけた感情はやがて、怒りや敵意へと形を変え、周りの人に向くようになります。
自分の本当の感情を受け入れない限り、人の言葉の裏を読みつづけることも、人を疑うこともやめられないでしょう。
傷つくことを避けるために大切な人を信じず、疑い、傷つける関係を続けるか
傷つくリスクを受け入れてでも信じたい人を信じて、安心感でつながる関係を作っていくか
どちらを選ぶこともできます。
あなたはどのような人間関係を選びたいですか?
・信じたいけど、信じられない
・疑いたくないけど、疑ってしまう
・信じて傷つくのがどうしても怖い
リトリーブサイコセラピーではそんなお悩みの原因を丁寧に紐解き、解決していくサポートをしておりますので、お気軽にご相談ください。
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