みなさん、こんにちは。
東京で活動している、心理セラピストのかつもとみゆきです。

3月も半ばを過ぎ、桜咲く春がやってきましたね。
今年は我が家の子どもたちも4月から最終学年になります。
大学、高校、中学生活の大半がコロナの影響で、我慢が多かった学生生活でしたが、コロナの制限も本格的に減り、最後の1年でやっと普通の学生生活を送れることが何より嬉しいです。
今しかないこの時を謳歌してほしいです!

講座のアシスタントなどで、たくさんの方と関わらせてもらう中、少しずつ自分の癒しが進み、問題が解決に進む過程で、多くの人が直面する、何より感じたくない感覚があるんだと、最近強く感じています。

私自身も、以前自分に向き合う中で、すごく苦しかった感覚です。
それは「親に愛されなかった(自分が望むように愛されなかった)絶望」を自分が受け入れるときでした。

今日はその愛されなかったからこそ、愛されたかった気持ちについて書こうと思います。

一番感じたくない、愛されなかった絶望

機能不全家族や、毒親のもとに育った人は、無意識では本当は愛されていなかったと気づいているけれど、それを認めてしまったら、悲しすぎて絶望し、生きる気力がなくなってしまう。そんな怖さを避けるために

・愛されなかったのは、自分がダメな人間で、自分に非があるからだと自己否定したり、

・本当は愛されていた。親はそんなひどいことをする人間じゃ無い、そんなはずないと現実否認して、理想化したり、

・親も大変で可哀想だったから、しょうがない、と自分を納得させたり、

そうやって、自分を守っています。

抑圧し続けると起きる問題

無意識に絶望、それに悲しみ、怒りを無かったことにして抑圧しつづけていると、愛されなかったからこそ愛されたい未完了の気持ちを満たすために、現実的に身近な人に投影を起こして、人間関係に問題が起きてきます。

例えば、
・夫や妻、パートナーに親を投影して、親と同じように愛してくれないかもしれない、そして捨てるかもしれない…と見捨てられる不安を持ちながら、本当に私を愛してる?自分を捨てない?のお試し行動を繰り返す。

・家族じゃなくても、身近な友人や会社の人に、無意識に私だけを見て私だけを愛して!認めて!と親に愛されなかった未完了の気持ちを求め、満たされない怒りを代わりにぶつけてしまう。

・子どもに、私を愛して!安心させて!と親子逆転して、親代わりをさせて子どもの人生を奪う。などなど…

された方は不快だし、逃げられる関係であれば去りたくなるし、
家族であれば、逃げられない苦痛、そして、自分が親からされてきた苦痛を子どもにもしてしまう連鎖。結局、孤独になり、自分も周りも不幸にしていく。
そんなことが起きていませんか?

ここで、私の場合はどうだったか、少し長くなりますが書いてみたいと思います。

私の人生最大の悩みは、全く共感性の無い母親との関係でした。ずっと母とのことばかりに目を向けてきました。そして、父は優しくて絶対に私を助けてくれる存在だと思って生きてきました。

大人になり、子育てに悩む中、どうしても母の数々の暴言が理解出来なかった私は、ある時父に「どうしてお母さんは私の事を、可愛くないって言いながら育てたの?」と思い切って聞いてみました。
薄々、父が助けてくれなかったことには気づきながらも、「そうだったのか。お母さんひどいな」と言って助けてくれることを、疑うこともなく信じていたのです。
けれど父の答えは「知らん。それはお前が本当にかわいくなかったからだろ(怒)」でした。

あまりのショックに、そこから両親とは距離を置くことに。
その後は両親から連絡が来ることもありませんでしたが、長い間、私は両親に対する怒りと恨みで自分が壊れそうでした。

中でも苦しかったのは、私を愛してくれているはずの父の言葉。昔、幼少期の少しの間、確かに優しく寄り添ってくれる父もいたのです。けれどそれ以降の父とかけ離れすぎて受け入れられない。
だから、いつかあの頃の父に戻ってくれる、あの優しい父が本当の父なのだ、と理想化し期待し続けていました。それを支えに生きてきたので、どうしても諦めきれなかったのです。

現実を受け入れない利得


そうやって、現実から目を逸らし、理想化して期待することで、本当は両親に愛されていなかった深い絶望を感じずに済んでいました。
そして怒っていれば、絶望を感じなくて済むし、
嫌な感覚だけど両親を恨み憎み続けることで、離れていても両親を近くに感じ、つながりを感じていました。

起きていた問題


当時、夫に父を投影し、父を求め続け、私を分かってよ!と怒りをぶつける反面、こんな私は捨てられるはずだと恐怖におびえ、
子どもたちにとっては、意識はずっと自分の両親に向いている情緒不安定な母でした。(思い出しても胸が痛いです)
そんな自分を、妻・母失格なダメ人間だと自己否定し続ける悪循環に陥っていました。

そんな中、数年間会っていなかった父から、突然の電話がありました。「病気が見つかり、治療しなければ余命3ヶ月、薬が効いて1年」と。
ショックを受けながらも病状と、経過、今後のことを聞きながら、話を聞き終わる頃には、自分が子どもの感覚に退行していった感覚を今も覚えています。

そして、「お父さん、もう聞ける時がないかも知れないから教えて。私の事、好き?」と思わず聞いていました。どうしても、久しぶりに話した理想の父に好きだよって言ってほしかったのです。

でも、父の答えは…「言っている意味が分からない」でした。

悲しくて崩れ落ちました。やっぱり親は絶対に変わらない。どんなに愛してと求めても絶対に叶わない。もう現実を受け入れるしかない。覚悟を決めました。

(振り返ってみれば、父も自分の少ない余命の話をしているのに、40才半ばをとうに過ぎた娘が子供の様に、何を聞いてくるのかと思っていたかもしれませんが。)

現実を直視したら、絶望しかありませんでした。母に愛されていないのは分かっていましたが、父にも愛されていなかった絶望を感じたときに、自分の膝下が無くなって立っていられないような、所在のなさを感じ、自分の存在が分からなくなりました。

そして、この絶望の恐怖の感覚を一番感じたくなかったことにも気がついたのです。

過去と人は変えられない、変えられるのは自分だけ

絶望しながらも、この頃は受講中だった応用コースで学び、セラピストの方々や講座の仲間のみんなに気付きをもらいながら、
ひたすら自分自身に向き合いました。

寂しかったね、悲しかったね、怒りたかったね、悔しかったね、真っ黒い気持ちもあるよね。そうやって自分を受け入れて、癒し、自分の中の愛着を育てていきました。

また、現実的な問題を感じたときはセッションを受け、葛藤し、また絶望する、そんな日々でした。
そうやって、少しずつ自分の未完了を完了させていきました。

その上で、人とどう繋がっていきたいか、私はどう生きたいか?も考え続けました。

そんな悶絶する間に、大きな気付きがありました。

◎どんなに長い絶望も必ず終わること。妄想は終わりがなく膨らむ一方だけれど、現実を直視して感じた絶望は必ず終わるし、自分にそれを乗り越える力があること。

◎自分の良いところも、真っ黒な部分も受け入れられたら、
受け入れられなかった父の両極端な人格も、そういう部分もあるんだと融合して、両方あって父なんだと変化していったこと。

◎嫌いなだけの人に、愛されたいとは思わない。どんな親でも本当は愛していたからこそ、愛されることを諦められなかったのだ。
私は今の年齢まで、人生かけて求め続けるほど、両親を愛していたのだということ。

これが腑に落ちた時に、

父が私の事をどう思っていても良い。死ぬ前に私が父を好きだった事を伝えよう。そう思えたのです。
ここでようやく、退行していた自分から年齢相応の自分に成長したのかもしれません。

結局、死ぬまでに一度もお互いの気持ちを受け取り合うことはなかったし、最期は父の温かい手を握って、一言「好きだよ」と言って欲しいというドラマのような願いは叶いませんでしたが、大人の自分でお別れできました。

愛されなかったな~私たちは分かり合えない親子だった、と諦めがついたのでした。

怖くても現実を直視して絶望を感じきり、自分を癒して育てた、その先に

今は父に対して、死の悲しみはありますが、燃えたぎる怒りや恨みはありません。あ~あ、父が大嫌いだったけど、大好きだった。愛されたかったなー。その気持ちが0にはならないけれど、ただその気持ちがあったな~って感じです。

そして今現在、夫に父を投影することもなくなり、等身大の夫を見て、大人同士の夫婦関係になったなと感じています。母である私自身が安定したので、子どもたちも安心して自分の人生に集中して歩きだしているとも感じています。(涙)

これからも生きてる限り、悩みがなくなるわけではありませんが問題が起きても、気が付いたときに自分に何が起きているのか、その都度見ていこうとも思っています。

人それぞれ、環境や生き方は違いますし、悩みや解決への道のりは違うと思いますが、

怖いけれど現実を見ること、愛されなかった絶望の恐怖と痛みを乗り越えて、自分の人生を生きたいか?
覚悟して痛みを乗り越えた先に、

愛されたいという未完了を埋めるための人生ではなく、自分が生きたい人生を生きるステップがあると私は思うのです。

自分を救えるのは自分だけなのです。
怖くても向き合うみなさんに、エールをおくります!

長くなりましたが、お読みいただきありがとうございます。

コラム担当者の紹介:協会推薦セラピスト【東京】 勝本みゆき

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