第12号 「どうしたらセラピーで着地出来るようになるのか」
こんにちは。
大阪の公認セラピスト 喜多村純子です。
リトリーブサイコセラピーって難しいとよく言われます。
それはある意味では正しくて
ある意味では間違っています。
難しいと言われる所以は、リトリーブには正解がないという点。
全てクライアントの状態に合わせたオーダーメードのセラピーだというところです。
人が怖い
言いたいことが言えない
自分をいつも飲み込んでしまう
というオーソドックスな主訴であってもそれぞれのクライアントさんの背景は様々です。
だから、どんなに同じような主訴であっても
全く同じセラピーになる事はありません。
そこがただビリーフや形を理解しただけでは出来ない
と言われる難しさを生み出す理由です。
だから、リトリーブのセッションは
思い込みや見立てだけでは出来ないわけです。
目の前の相手をちゃんと見て
目の前の相手の言葉をちゃんと聞いて
会話して言葉のキャッチボールを交わしながら
セラピストとクライアントが一緒に
同じものを見て共有しながら進めていかなければ
出来ないセラピーだからです。
だから、コミュニケーションが出来ないと
リトリーブのセッションは出来ないし
当然、契約も着地も出来ません。
そういう意味ではとても難しいセラピーだと言えます。
言い換えると自分がいつも人とどんな風に関っているか
自分が自分自身をどう扱っているか
自分の人生をどう生きているか
などが・・・恐ろしいほど出てしまうということです。
そういう意味では、とてもシンプルなセラピーとも言えます。
悲しい時には泣きたいし
怖い時には助けて欲しいし
寂しい時には甘えたい
妹ばっかり可愛がられていたら悔しいし
どれだけ頑張っても愛してもらえなかったら腹が立つ
・・・など
リトリーブのセラピーは本来はそういうシンプルな気持ちを
捻じ曲げてしまった今の現実の認知のゆがみを解くために
過去に囚われている感覚と感情を開放していくのです。
どうしたら着地が出来るのか?という答えは
どれだけ真摯に目の前の人と向き合えるか、
そして、どれだけ真摯に自分自身と向き合えるか、
自分の人生を大切に生きる決意を出来ているか、
そこにかかっています。
だから、自分の人生を大事にすると決めて
自分からも人からも現実からも逃げないと決めれば
誰でも契約は取れるし誰でも着地は出来るようになります。
だってみんな、ずっと向き合って来たはずだから。
必ず感覚や現実世界での自分のスタンスって
変わってきたはずだからです。
基礎から進んで応用へ、そしてハイパーへ進む中で
沢山、、これでもかって言うぐらい自分と向き合って
泣いて絶望して恐怖を乗り越えて・・・
そして今の自分に変わってきたはずです。
その自分を、今ここにいる自分をちゃんと信じてあげて下さい。
そしたらきっと、目の前のクライアントさんの未来も
これから先を生きていく力も信じられるようになるはずです。
ハイパーの皆も、
公認セラピストを目指している皆も
自分の人生を肯定する気持ちを忘れずに
これからも頑張って下さいね!
第11号 「葛藤するとはどういう事?」
こんにちは。
福岡の公認心理セラピスト待鳥智美です。
さて、みなさん、講座受講中、その後もセッションを受ける機会がありますよね。
セラピストに、「あなたは、どうなりたい?」としつこく(笑)聞かれ、決められず、「葛藤してきてくださいね。」と言われたことがある人、多いのでは?と思うのです。
また、何度もセッションを受けているけど、問題が解決しない、繰り返してしまうという人もいるかもしれません。
今日は、そんな人に向けて、「葛藤とはどういう事なのか」「どうして葛藤することが大切なのか」についてお話しします。
私たちは自然に【不快を避けて快を得よう】とします。
当然ですが、セッションを受けるのは、不快(恐怖・怒り・悲しみ・恥・孤独など)な感覚が伴う問題が起きているときですね。
その時、自分では解決できないけど解決したいと思っていること、不快な感覚があることは事実でしょう。
そして、ほとんどの場合、メリット(楽・快)があるけど不快(根本には恐怖)な現状と、これまでの生き方を変える未知への選択をする恐怖、というダブルバインドで身動きがとれない状況です。
おそらくみなさんわかっている通り、自分で自分の望む生き方を選ぶ方が問題は解決するのです。
ですが、どちらも不快ですし、現状のメリットが大きい場合や、変ることの恐怖が大きい場合は、葛藤も選択も出来ないことがあるでしょう。
しかし、ここで忘れてはいけない、重要なことがあります。
これまでの生き方のメリットを持ち続けるという選択をしたまま、目の前の不快を避けても、生きていればこの先不快なことは繰り返し繰り返し起こる、ということです。
しかも、大抵、さらに問題は大きくなったり、こじれたりしてしまいます。
葛藤とは、メリットがあるけど不快な(恐怖)現状の生き方を続けるのか、メリットを手放してこれからの自分の望む生き方を選ぶのか、という恐怖と恐怖の間でこれからの自分を選ぶためにするものです。
葛藤がなければ、自分の人生を自分で選択することが出来ないのです。
だから、リトリーブサイコセラピーのセッションでは、これからの自分のために、自分と向き合い、自分が本当はどうしたいのか?どうなりたいのか?葛藤すること、そして、自分で選択することをとても大切にしているのです。
「葛藤してくださいね」と言われるのは、このためです。
いじわるとかじゃないですよ~。
問題が解決しない、繰り返してしまうという人は、ちょっと振り返ってみてください。
セッションでセラピストに言われたからとか、今の不快を避けたいからと葛藤したふりだけして、セッションを受ければ解決すると思っていませんか?
どうしよう?どうしたらいいの?と悩むだけで葛藤したと思っていませんか?
「メリットを手放したらどうなる?」という恐怖も、「このままでは、この先10年、20年、30年…自分の人生はどうなっているだろうか?」とイメージした感覚もありありと感じてみることや、「もうこんなの嫌だー!」というパワーが、あなたがこれからの自分のために葛藤して選択する助けになると思いますよ。
セラピストは、クライアントの「これから」のために、お手伝いをします。
葛藤・決断は、セラピストではなく、クライアントにしか出来ないことですからね。
だから、セラピストを目指す人は、クライアントがこれからの人生のために葛藤する手伝いが出来るように(セラピストが自分のためのセッションをしないように)、自分自身の問題の解決や練習が必要ですね。
リトリーブサイコセラピーは、クライアントの問題解決・これからの人生のために進化、深化し続けていると感じています。
みんなで、リトリーブサイコセラピーを盛り上げて行けたらうれしいですね。
では、また~。