冷えた空気に耐えられない・・・バランサーの苦悩

こんにちは。
東京・神奈川で活動している心理セラピストのヤコーヒロコです。

四月に入り、職場や学校などの環境の変化を迎える時期ですね。

カウンセリングや心理セラピーの現場では、職場の人間関係のお悩みのご相談はとても多い内容の一つです。
会社は様々な世代や経験や価値観を持った人たちが集まる場ですので、時に分かり合えなかったり、苦しい思いに悩むようなことが起こりやすい環境ではあります。

あなたはこんなケースに心当たりはありませんか?

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会社員のA子さん(三十代・女性)は最近、職場の人間関係に悩まされています。

A子さんの職場に新しく異動してきたB子さんが、自分と仲の良いC美さんと仲が悪いのです。

C美さんは明るく、ざっくばらんな性格なのですが、仕事のミスが多く、それを振り返らずに同じミスを繰り返すため、C美さんと同じ業務を担当しているB子さんはいつも苦々しい顔でC美さんのことを見ているのです。

そんなB子さんの様子を見ていると、A子さんは居ても立っても居られない気持ちに襲われるようになりました。

B子さんは表立って怒ったりはしないのですが、その表情を見れば腹を立てているはわかるため、B子さんが腹を立てていると、周りの空気まで冷たく、重苦しくなっていく気持ちになるのです。

その空気が耐えられず、A子さんは仕事中に自分の持ちネタの面白い話や失敗談などを話し、場を和ませようと頑張っていたのですが、今度は上司から「私語が多い」と怒られてしまいました。

私は一生懸命、場の空気を和ませようとしているのに、なぜ怒られなければいけないの!?

A子さんの胸の内は理不尽な気持ちでいっぱいです。

さて、A子さんの心の中で何が起こっているのでしょうか?

なぜ場の空気がそんなにも気になるのか

実はA子さんが職場などの自分のいる環境の空気を気にするのは、いまに始まったことではありませんでした。

今の職場の前の職場でも、学生時代でも、場の空気を察して明るく振舞ったり、時にはうっかりした姿を見せたりして、周りを笑顔にしていたのです。

A子さんが特に苦手なのはこんな時です。

・人が対立していたり、仲が悪い様子を見なければいけない時
・人が大勢いるのに静まり返っている時
・機嫌が悪い人が周囲にいる時

こんな時、A子さんはその場の空気がピリピリしていると感じ「どうにかしなきゃ!」と明るく振る舞うようにしてきていました。

一方で、人が集まる場所にいると、いつもその場の空気を敏感に察知し、人に対していつも気を遣っているので、家に帰ってくるとどっと疲れる、ということもしばしばでした。

特に、人が対立している場をなんとか取り持とうとした後などは、翌日、仕事を休んでしまうくらいぐったりと疲れてしまうのです。

A子さんのように、いつも明るく振舞っているけれども、突然スイッチが切れたように疲れ切ってしまったり、憂鬱な気持ちに襲われる、という人は実は多いんですね。

場の空気に敏感な人の特徴

A子さんのような、場の空気に敏感な人には実は共通する特徴があります。

・息が詰まるような雰囲気、重い空気、などの雰囲気を過剰に「怖い」と感じる。
・仲が悪い人たちを見ると「どうにかしなければ」と思ってしまう
・かわいそうな人を放っておけない

本人は「怖い」「不安だ」とはっきり意識していなくても、居ても立っても居られなかったり、その場にいることが苦しい、といった感覚を持っていると、その場の空気や人間関係をどうにかしなければ、私が助けなければ、という気持ちが働く状態になってしまう人は

バランサーという役割を家族の中で負っていた可能性があります。

このバランサー役の人は、怒っている人を見ると、自分の怖い感覚は封印してなだめようとしたり、悲しい顔をしている人を見ると、自分はさておき何とか慰めようと頑張ります。

バランサー役を引き受けた背景

さて、なぜそんなにも周囲の空気を気にして和ませようとしてしまうのか?という部分がそろそろ気になってきたのではないでしょうか。

実は和ませ役をしている方の多くにこんな背景があるんです。

・両親が不仲で、喧嘩が絶えなかった
・親が機嫌が悪いと、無視された
・親の機嫌を損ねると、激しく叱責された
・自分に嬉しいことがあった時に、親が面白くなさそうな顔をしていた

子供にとって、家庭は自分が生きる唯一の居場所ですよね。

その家庭を支えるべき親が不仲だったり、不機嫌だったり、悲しい顔をしたり泣いていたりすると、家族のバランスはどうでしょう?
その家の子供の感覚では、家族のバランスが今にも崩れてバラバラになってしまいそうに感じるんです。

こういった環境で育つと、自分が一番直面したくない場面(親の喧嘩や、無視される、怒られる、)に似た空気を感じると本能的に恐怖を覚え、なんとかその場面を回避しようとするようになるんですね。

A子さんの両親も不仲で、喧嘩が絶えない家庭に育ちました。

そして、両親の喧嘩が始まる前の家族全員が黙り込み、張り詰めた空気が漂い始める状態が怖くて仕方がなかったんですね。
そして、自分が楽しい話をしたり、おっちょこちょいな部分を見せたりすることで、両親が

「しょうがないなぁ、A子は」

と笑ってくれて、夫婦喧嘩を未然に防ぐことができた、という経験を繰り返していました。

また、お父さんに怒鳴られてお母さんが泣いていたら、小さい手でお母さんの手を握り締めて一所懸命慰めていました。

このため、職場などで雰囲気が悪くなったり、仲の良くない人たちを見ると、とても不安な気持ちを感じ、自分が和ませなければ!と頑張ってしまっていたんですね。

一番苦しいのは

A子さんのような周囲の空気に敏感な人が感じる生きづらさはどういったものになるかというと、

周囲の空気を和やかに保つことを何よりも優先するため、

・自分の気持ちを殺してしまう
・自分を蔑ろにしてしまう

といった部分になります。

自分の内心を抑え込んでしまうため、本当の自分の気持ちに誰も気づいてくれないので、本当は

・とても孤独
・とても寂しい
・報われない
・虚しい
・自分の中がからっぽ

といった感覚を抱いていることが多いんですね。

でも、自分の内心を隠して、「明るいA子さん」でいなければいけないと思っているので、そんな内面を見せてはいけない、と決めてしまっているんですね。

これを一人で抱え込んで生きていくのは、とってもしんどいんです。

あなたも苦しんでいませんか?

さて、これを読んでいるあなたも、A子さんのようにバランサー役をやっていませんか?

これまで読んでいただくとわかる通り、A子さんのこの役割は、子供の頃に生き抜いていくための手段ではありました。大人になったA子さんには必要のない生き方なんですね。

でも、静かな空気や、険悪な空気に耐えられない!怖い!と体が先に反応してしまうから止めることができないんですね。
そして、本当の自分を押し隠して、明るく振る舞ったり人を和ませたりしてしまうんです。

もしかしたら、あなた自身にもそんな感覚はありませんか?

自分を殺し続けて場の空気を読み続け、人のご機嫌を取り続ける生き方ってとっても苦しいものです。この生き方から抜けたい、でもどうしたらいいかわからない、と思ったら、ぜひ電話カウンセリングで心の問題整理をしてみてはいかがでしょうか。


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